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国立大学法人九州工業大学工学部 建設社会工学科

環境デザイン研究室

− 伊東啓太郎研究室 −

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グリーンキャンパス(2011-)

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 近年、都市の急速な拡大に伴い都市から身近な自然が急速に消えてきており、水路やため池は埋め立てられ、水域は年々減少傾向にあります。この結果、都市において、次第に身近な生物が地域から姿を消し、都市に生息している種や個体群もその存続の危機にさらされています。このことから、都市に残された貴重な水辺空間を保全することや、オープンスペースに新たな水辺を創出することは重要だといえます。そこで、近年では都市部において、人工的な水辺空間の導入が進められています。しかしながら、ビオトープへの供給水の性状によっては、藻類が異常繁殖することで水質が極度に悪化する場合があり、水質の安定性やコスト面で実用化に耐えうるシステムが確立されていないのが現状です。

 そこで伊東啓太郎研究室では、九州工業大学戸畑キャンパス内において、都市における水辺のモデル化を目的とし、生物の生息空間、人と水辺のつながり、自然エネルギーの利用を考慮したビオトープの設計を行いました。設計において、「人とエネルギー、自然をつなぐグリーンキャンパスへ」をコンセプトとしました。池の形状については、日本の棚田景観を参考にし、ビオトープに複数の池を創出することで段階的な水質浄化を行います。また、護岸の断面形状を緩やかにすることにより、水域から陸域にかけて水深が少しずつ変化するため、様々な植生の生息域になると考えられます。さらに、池周辺や池の中の動線を確保するために、あぜ道を創出しました。

 本ビオトープにおいて、施工前と施工後を比較すると植生多様度は向上しており、水辺空間の創出が植生多様度を向上させていることが確認されました。また、新たに創出された水辺環境において、ギンヤンマやシオカラトンボなどのヤゴ類が確認されていることから、トンボ類の新たな生息空間として機能していることが確認されました。

 今後の展望として、毎年実施している植生のモニタリングにもとづき、草地マネジメント方法の検討を行います。合わせて、地域にもともとある郷土種を用いた植栽デザインを行うことで、地域の自然保全の場や植物園としての機能を持たせ、多様な生物の生息空間や人々の憩いの場としての活用を目指していきます。

 

[研究室プロジェクトメンバー]

伊東啓太郎

2009年度 B4:富井俊・藤塚恭平

2010年度 M1:富井俊・藤塚恭平,B4: 松本拓也・横山学爾

2011年度 M2:富井俊・藤塚恭平,M1: 松本拓也・横山学爾,B4: 小石智也,平田裕之

2012年度 M2: 横山学爾,M1:平田裕之,B4:伊藤拓也

2013年度 M2:平田裕之,M1:伊藤拓也, B4:田中優太・山下絢子

2014年度 M2:伊藤拓也, M1:田中優太・山下絢子,B4:小田祐介・花田有里絵

2015年度 M2:田中優太・山下絢子,M1:小田祐介・花田有里絵,B4:中悠輔

2016年度 M2:小田祐介・花田有里絵,B4:稲田太一・森田美咲

2017年度 M1:稲田太一B4:鮎川奈津子,小池拓也, 柳田壮真,長谷川逸人

2018年度 M2:稲田太一,M1:小池拓也,B4:納戸利彰・矢野真路

2019年度 M2:小池拓也,B4:竹田匠・田淵萌

 

[パートナー]

株式会社セパシグマ、菅原造園建設株式会社、株式会社FILTOM