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国立大学法人九州工業大学工学部 建設社会工学科
環境デザイン研究室
− 伊東啓太郎研究室 −
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グリーンキャンパス(2011-)
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2012.8.31 完成した棚田ビオトープ
2012.8.31 完成した棚田ビオトープ
2011.8.24 計画前の対象地
コンセプトスケッチ(伊東啓太郎准教授)
2011.9.29 模型作製の様子
2011.12.25 棚田をモデルにしたビオトープのデザイン一次案
2012.2.29 模型を使った水の流れの検討
2012.4.11 施工中の様子
2012.4.4 施工中の様子
近年、都市の急速な拡大に伴い、都市から身近な自然が急速に消えてきており、水路やため池は埋め立てられ、水域は年々減少傾向にある。この結果、都市において、次第に身近な生物が地域から姿を消し、都市に生息している種や個体群もその存続の危機にさらされている。このことから、都市に残された貴重な水辺空間を保全することや、オープンスペースに新たな水辺を創出することは重要だといえる。そこで、近年では都市部において、人工的な水辺空間の導入が進められている。しかしながら、ビオトープへの供給水の性状によっては、藻類が異常繁殖することで水質が極度に悪化する場合があり、水質の安定性やコスト面で実用化に耐えうるシステムが確立されていないのが現状である。
そこで伊東啓太郎研究室では、九州工業大学戸畑キャンパス内において、都市における水辺のモデル化を目的とし、生物の生息空間、人と水辺のつながり、自然エネルギーの利用を考慮したビオトープの設計を行った。
設計において、「人とエネルギー、自然をつなぐグリーンキャンパスへ」をコンセプトとした。池の形状については、日本の棚田景観を参考にし、ビオトープに複数の池を創出することで段階的な水質浄化を行う。また、護岸の断面形状を緩やかにすることにより、水域から陸域にかけて水深が少しずつ変化するため、様々な植生の生息域になると考えられる。また、池周辺や池の中の動線を確保するためあぜ道を創出した。
本ビオトープにおいて、施工前と施工後を比較すると植生多様度は向上しており、水辺空間の創出が植生多様度を向上させていることが確認された。また、新たに創出された水辺環境において、ギンヤンマやシオカラトンボなどのヤゴ類が確認されていることから、トンボ類の新たな生息空間として機能していることが確認された。
今後の展望として、毎年実施している植生のモニタリングにもとづき、草地マネジメント方法の検討を行う。合わせて、地域にもともとある郷土種を用いた植栽デザインを行うことで、地域の自然保全の場や植物園としての機能を持たせ、多様な生物の生息空間や人々の憩いの場としての活用を目指していく。
[プロジェクトメンバー]
伊東啓太郎, 富井俊(2009-2011), 藤塚恭平(2009-2011), 横山学爾(2010-2012), 松本拓也(2010-2011), 小石智也(2011), 平田裕之(2011-2013), 伊藤拓也(2012-2014), 田中優太(2013-2015), 山下絢子(2013-2015), 小田祐介(2014-), 花田有里絵(2014-), 中悠輔(2015), 稲田太一(2016-), 森田美咲(2016)
[パートナー]
株式会社セパシグマ、菅原造園建設株式会社